BABYMETALのニューアルバム『METAL GALAXY』は、バラエティに富んだ曲構成で、聴けば聴くほどアレンジの構成など奥の深さが滲み出てくる、聴きごたえのあるアルバムに仕上がっていますね。

その中でも、ラスト2曲ShineからArkadiaの流れが神がかっています!

ShineとArkadiaはアルバムリリース前に日本公演で既に披露されてました。メイト感想も良く、特にArkadiaはリリース前だったのに、完成度の高さに話題となり盛り上がってました。

ShineとArkadiaの2曲が『METAL GALAXY』の中で、いかに重要な曲であるかをまとめてみました


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ShineからArkadiaの流れが神がかっている件

ShineからArkadiaは組曲のような1つのストーリー

アルバム『METAL GALAXY』は、壮大な銀河を旅する長編物語のような作風となっております。曲ごとにかなりバラエティに富んだ構成になっています。一見、まとまりのないアルバムに感じる事でしょう。

しかし、ShineからArkadia2曲の流れが上手にアルバムの最後をまとめ上げています。銀河旅するというコンセプトにピッタリハマり過ぎてます。

Shine『静』だとしたらArkadia『動』とも言うべきでしょうか。

BABYMETALらしい壮大さを感じさせるスローバラード「Shine」

「Shine」は2019年7月6日(土)ポートメッセなごや-BEYOND THE MOON- LEGEND -M-のアンコールにて初披露されました。曲のスタート、間奏のソロ演奏も含めて、ギターが中心となっている楽曲です。

2018年に不慮の事故で逝去した、神バンドのギタリスト「小神」こと藤岡幹大氏への鎮魂歌(レクイエム)であることは容易に推測され、ファンの間でも多く語られています。

ステージで「Shine」を初披露した2019年7月の日本ツアーの時の感想は、BABYMETALの二人がステージ中央に設置されたギターを取り囲みを演奏したことからも、共に歩んだメンバーに対する強い想いが現れている作品だと理解できます。

歌詞にある「まだ終わりなき旅の途中でも巡り会えた奇跡信じて」の部分では、BABYMETALが歩み続ける道を共に歩んだ同志への敬意が感じられます。

さらに歌詞の一文「Shining light」には、ずば抜けた逸材・指導者という意味も含まれており、「小神」がずば抜けたギタープレーヤーであったこと、そして彼が輝く道で、輝く空で、我々の心の中で永遠に光り輝いています。というメッセージが歌詞全体からも読み取れます。

3年半ぶりの今作品「METAL GALAXY」が発売されるまでに起こった、あまりにも大きな困難と衝撃の数々。

止まることが許されず、世界に羽ばたき活躍し続けることが使命であるBABYMETALにとっても、重大な出来事であったことは想像できます。

乗り越えるまでの時間はまだまだ短いのかもしれません。

だからこそ、「Shine」で伝えられたメッセージは、SUーMETALの澄んだボーカルと、MOAMETALの強い表現力のダンスだけではありません。神バンド、アベンジャーズを含めた周囲のスタッフや、世界中のファンのメッセージも含めてまとめられた想いであり、願いなのではないでしょうか。

そしてBABYMETALだから表現できる、かつBABYMETALでしか表現できないカタチなのでしょう。

美しいツインリードギターに最高級のメロディ「Arkadia」

Arkadiaの感想は、新体制3人のBABYMETALを代表する曲になりそうな久々のメロスピメタルチューンに感じました。

ゴリゴリのメタルというわけではなく、どこか爽やかさも感じるポップな曲ですね。

しっかり日本語のメッセージ性もある歌詞のあたりも嬉しいです。英語の歌詞だと盛り上がりはあるもののどこかメッセージ性には欠けるので、やはり代表曲は日本語のほうが色々伝わるのではないかと思います。

LIVEではお決まりのサークルモッシュをしやすいような間奏やリフが印象的でした。初見でも走り出したくなるようなウキウキで楽しいLIVEチューンです。方向性としては海外曲ならDRAGON FORCE BABYMETALの既存曲ならロードオブレジスタンスに近いものを感じました。

雰囲気は「完全洋楽」です。ジャンルで言うとジャーマンメタルに近いのでしょうか?美しいツインリードのギターに乗せた最高級のメロディ。スピード感あふれるビートはすでに邦楽の域を越えています。

今までのBABYMETALは「日本の良さを残したメタルサウンド」でしたが、このArkadiaではさらに一皮むけたBABYMETALを感じ取ることが出来ます。

冒頭の超絶ギターツインリードからAメロBメロで多少落として、
サビで感情のすべてを吐き出して盛り上げる。

まさに全ての人を応援する為の楽曲となっているのではないでしょうか?

誰の為に歌った楽曲なのか?

BABYMETALはここ数年で色々な事がありました、いやあり過ぎました。神バンドギタリスト藤岡幹大さんの死。オリジナルメンバーYUIMETALの脱退。

全て「別れです」別れは悲しい物。しかし、旅立ちの物でもあるのです。

サビの歌詞では

フォーユアドリーム(あなたの夢のために)

フォーユアプレイ(あなたの祈りのために)

フォーユアライフ(あなたの人生のために)

動き始めた 未来の地図は 君の中にある

と歌っています。全てが「前向きな別れの相手」に向けた歌詞なのです。別れは悪い事ではありません。旅立ちを意味することなのです。

その歌詞を「今までのBABYMETALサウンドには無かった」ジャーマンメタルサウンドで世界に届ける。
まさに彼女達らしい旅立ちの表現方法では無いでしょうか?

確かに悲しい思いを沢山したと思います。涙も沢山流したでしょう。
しかし、その悲しい別れを乗り越え今彼女たちはステージに堂々と立っているのです。

そこには「前向きさ」しか感じません。しんみりバラードで思いを表現するのではなく、あえて自分たちの
新境地であるサウンドで歌いきる辺りが産まれ変わったBABYMETALを感じさせてくれます。

それを歌った歌がまさにこの楽曲Arkadiaです。

ShineがArkadiaの輝きをより増している

Arkadiaの前にShineを配置している事により、双方の曲がより輝きを増しています。

アルバム『METAL GALAXY』はShineからArkadiaの2曲で締めくくってます。

アルバム発表当初、重要な曲になるであろうArkadiaは1曲目に配置されるだろうと予想してましたが、ラストに持ってくるコンセプトが如何なものか、注目してました。

The ForumでもラストにShineとArkadia

2019年10月11日アメリカLAでのThe ForumでもラストにShineとArkadiaの2曲でライブを締めくくりました。

Shineが宇宙を彷徨いながら旅している様なイメージで、Arkadiaは目的地を見つけ、目指して行く様なイメージ。


The Forumに関しては、別途こちらに記事にしました

以前は、ライブのラストはRoad of ResistanceやThe Oneが定番でした。

『METAL GALAXY』リリース以降のライブでは、ラストはShine〜Arkadiaが定番になるのではないでしょうか!


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Arkadiaが『METAL GALAXY』ラストに収録された意義

ファーストアルバム「BABYMETAL」のラストに収録されていた「イジメ、ダメ、ゼッタイ」、セカンドアルバム「METAL RESISTANCE」のラストに収録されていた「THE ONE」に比べるても全くそん色はなく明確に明るく激しいBABYMETALを表現できており『METAL GALAXY』のラストにふさわしいですね。

YuiMETAL脱退後でもついてきてくれたファンに対するアンサーソングの曲のような気もしてきました。

特に曲中には「宇宙」、「宇宙の旅」というような果てのない冒険やチャレンジを連想させるようなフレーズが使われていて、アルバムの終盤に入れるにはピッタリのフレーズだと思います。素晴らしい作品が出来たけど、これはまだゴールではなく、過程だということを感じさせてくれる素晴らしい締めくくりに仕上がっています。

上記の曲順の流れがあるこそ、なぜArkadiaが『METAL GALAXY』のラストに配置されたかも納得です。

アルバムの終盤ということもあり、Shineを聞いていると少し寂しい気持ちになることもあるのですが、長編大作アルバムのラストをしんみり締めくくるのでは無く、超アップテンポなナンバーで、メタルの旅はこれからも続く感を出してくれてます。

ShineとArkadiaの2曲は、曲単体でも幻想的で壮大なナンバーである事は間違い無いのですが、2曲を組み合わせる事によって、よりケミストリーを起こしています。

この2曲をセットで聴き重ねるごとに、BABYMETALの積み上げられた歴史の一つ一つと、こみ上げる様々な深く熱い想いがひしひしと伝わってくるのは決して私だけではないでしょう。

重音部としてスタートした過去から、新生BABYMETALとなった現在、そして今後、世界の先頭で輝き続ける上でも、歌い続けられ、語り継がれていく2曲です。