フリーランスになったら、まずは仕事をこなすこと・仕事を受注すること・収入を得ることに目が行きがちで何が必要な書類かよくわからずに、書類をとっておくことを忘れてしまったり、失くしてしまったりなんてことはよくある話です。
「必要な書類」というのは、ここでは年間の所得に対する税金を支払う「所得税」の申告に必要な書類であり、フリーランス=個人事業主として、保管義務のある書類も含めています。
この必要な書類をとっておけば、申告時に慌てないで済みますし、万が一の税務調査でも役に立ちます。
このブログを読んで、大切な書類は極力まとめて取っておくことをオススメいたします!
目次
フリーランスになったら保管しておくべき9つの書類とは?
1.領収書(レシート)
全ての基本になる経費のもとになるのが「領収書」です。
「領収書」というと、宛名・会社名が入っていないもの以外は認められないと思っているかたもいるように思いますが、そうではありません。
税法上では「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」となっており、支払先や発行された日付、金額、明細が記載されていればレシートでも問題ないのです。むしろ、昨今では手書きの領収書だと明細がないため、レシートのほうが信ぴょう性があるともいわれています。
ですので、自身の事業に関わることに支払ったレシート・領収書は必ずとっておきましょう。
また、とって置く方法ですが、1枚1枚紙に張り付けて保管しなくてもまとめて袋に入れておいても大丈夫です。
保管の方法には決まりはありません。気を付けるのは感熱紙なので、印字が消えてしまったら証明にはなりませんので、そこだけご注意ください。
公共料金(水道・電気・ガス)の領収書は?
公共料金は家庭用と仕事用の割合で按分して計算するものになります。
ですので、水道・電気・ガス代の領収書は保管しておきましょう。
勿論ですが、家庭用に使ったスーパーのレシートなどは経費になりませんので保管しなくて大丈夫です。
領収書(レシート)の保管義務
白色申告・青色申告(前々年分所得が300万円以下)は5年間、青色申告(前々年分所得が300万円超)は7年間の保管義務
2.預金通帳
預金通帳はフリーランスになってから使っているもの、個人のものでフリーランスの事業に使った取引があるものをとっておきましょう。フリーランスになって税務署へ「開業届」を出して「屋号」を付けた人は屋号で通帳を作る技もあります。
預金通帳は繰越になった場合過去のものをなくしてしまいがちなので、繰越された前のものもきちんと保管するようにしてください。
預金通帳の保管義務
白色申告・青色申告(前々年分所得が300万円以下)は5年間、青色申告(前々年分所得が300万円超)は7年間の保管義務(白色申告・青色申告のリンク)
3.賃貸の契約書
賃貸の家に住んでいる場合で、家で事業を行っている人は賃貸契約書が必要です。家賃にかかる経費は家として使っている部分・事業として使っている部分を面積で求めて按分して計算します。
例えば3LDKで一部屋だけ使っているというならば1/3経費に入れることが可能です。
また、駐車場などを借りている場合も同様です。完全に仕事用だけで使っている場合は按分の必要もありません。
賃貸契約書の保管義務
白色申告・青色申告ともに5年間の保管義務
白色申告・青色申告(前々年分所得が300万円以下)は5年間、青色申告(前々年分所得が300万円超)は7年間の保管義務(白色申告・青色申告のリンク)
4.クレジットカードの明細
クレジットカード明細だけでは細かい内容がわからないため、こちらは支払った時の明細書と一緒に保管しておきましょう。
クレジットカード明細の保管義務
白色申告・青色申告(前々年分所得が300万円以下)は5年間、青色申告(前々年分所得が300万円超)は7年間の保管義務(白色申告・青色申告のリンク)
5.給与明細
フリーランスとはいえ、アルバイトなどを同時にしている場合は必要になります。
給与明細の保管義務
労働基準法においては「未払い賃金請求の時効は2年」とされているので、最低でも2年ですが、確定申告に使用した場合は5~7年保管していくと安心です。
6.医療費に関する書類
2017年の確定申告から領収書の提出は不要になりましたが、保管義務はあります。
通常の医療費控除と2017年1月1日から2021年12月31日までのセルフメディケーション税制=医療費控除の特例と、有利な方を選択するためには、まずは両方に必要な書類を保管しておきましょう。
医療費控除の場合は、病院や薬局の領収書、クレジットの控え、保険適用された場合はその金額がわかる資料です。セルフメディケーション税制の場合は薬局店で渡された領収書若しくはレシートが必要となります。
これらは、事業の領収書とは別に計算するので、別で保管しておいてください。
医療費書類の保管義務
白色申告・青色申告ともに5年間の保管義務
7.年金や保険料の書類
国民年金・健康保険料は所得税の申告の際に「社会保険料控除」として使えますので、支払った領収書はとっておいてください。これらも、事業の領収書とは別に計算するので、別で保管しておいてください。
年金・保険料保管義務
保管義務はありませんが、確定申告に使用した場合は5~7年保管していくと安心です。
ただ、社会保険庁の記録がいい加減だった時に、支払ったという領収書がなくて年金をもらえなかった人が沢山いるという話もありますので、永久保管しておいたほうが無難かもしれません。
8.請求書、見積書、納品書、送り状など
自分が出す請求書は売上を入力するために必要になりますので、パソコン内にデータを保管しておいてください。
請求書をもらった際も、パソコンでもらった場合はパソコン上で保管、紙でもらった場合は紙を保管しておいてください。
請求書・見積書・納品書などの保管義務
白色申告・青色申告ともに5年間の保管義務
9.帳簿書類
帳簿書類は青色申告では7年間の保管義務があります。
白色申告では収入金額や必要経費を記載した帳簿のみ7年間の保管義務がありますがそれ以外の帳簿書類は5年間です。
最後に
様々な書類の保管義務もあるので、まずは全てとっておいてから、時間があるときに取捨選択するのが間違いないと思います。
1年分まとめて作業はかなり厳しい作業です。
上記のように区別しておけば少しは年に1度でも楽になるのではないでしょうか。