フリーランス(個人事業主)が、いずれは法人化を考えている人は多いと思います。
では、法人化する場合、メリットとデメリットは何なのか?
どんなタイミングで法人化した方が良いのかを、まとめました。
目次
法人化を考えるタイミングは?
フリーランスで仕事をしていると法人化する必要があるのかどうか、悩まれることがあるのではないでしょうか?そのきっかけとなるのが
・売上が大きすぎて税金が高くなった時
・取引先に打診された時
です。
売上が高くなるとその分所得税が高額になります。そのタイミングで「もし法人だったら法人税はどれくらいとられるのだろうか?」と悩むポイントになると思います。
また、もう1点は取引先の要請です。大きい会社の取引先となると、相手の会社の信用度や支払い能力などを調べてから取引を開始する会社が少なくありません。ですので、取引をしたくても法人ではなくフリーランスだと出来ないという会社も存在します。
こういった2点の理由から、法人化を考えるタイミングが来た場合の参考までに、メリット・デメリットをまとめました。
法人化のメリット
まず、法人化のメリットですが、ざっくりと3点挙げますので一つずつ説明していきたいと思います。
経費算入できる費用の範囲が増える
法人化することで、今までフリーランスでは参入することが出来なかった経費を算入することが可能になります。例をあげますと、フリーランスだと自宅を使っていた場合、一部しか費用に出来ませんでしたが、自宅を社宅扱いにして家賃を経費にすることが可能です。また、家族を従業員にして給料を払うことが出来ます。そのほかにも、出張に行った際に「日当」を支払うことも可能です。
これだけでも結構な経費になるのではないでしょうか。
会社の利益と役員報酬を考えて設定できる
フリーランスだと、売上=収入となるので、かなり高額の場合は所得税が高くなります。所得税は累進課税なので、金額が高額なほど税率も高くなるのです。課税所得が1800万円を超えると所得税率は40%になりますので、法人税の税率23.2%を大きく上回るため法人化したほうが安くなります。(法人税だけではなく、法人地方税・法人事業税・法人住民税などを加えると実質30%以上にはなりますが、それでも所得税よりは安くはなります。)
法人化すれば会社の利益から自分へ給料を支払うことになるので、全額給料が経費として計上することが出きます。よって、法人税の対象となる利益を減らせることになります。
さらに、自分への報酬=所得となった場合に、所得税の基本的な控除である「給与所得控除」が受けられるため、税金の負担を軽減することが可能になります。
このように、法人化した場合は利益や給与をフレキシブルに決めていくことが可能なので、結果的にフリーランスよりも税金の払い方を有利に進められることができるようになります。
信頼度が増す
これは冒頭にもお伝えしましたが、法人化することでフリーランスの時よりは社会的な信用度が増します。
法人化すると社会的に認められているので、大きい企業との取引もフリーランスよりはしやすくなると言えます。そこには資本金も関係してくるとは思いますが、信頼度のメリットは想像以上に高いと言えるでしょう。
法人化のデメリット
いいことが多いように見える法人化ですが、デメリットも存在しますので、デメリットもお伝えしたいと思います。
自分及び従業員の社会保険料が増える(厚生年金、社会保険など)
フリーランスに比べると社会保険料は高くなります。厚生年金も健康保険も支払は個人と会社の折半(半額ずつ負担)で、給料によって金額が決められています。保障が手厚いといえばそうですが、結果的に年金が返ってくるかわからない現在の状況では、どれくらい得かは定かではありません。
会社の資金があまりない状態で法人化してしまうと、社会保険料に圧迫されて経営に負担がかかることも考えられます。
赤字でも必ず支払うべき税金がある
法人になると、法人住民税の均等割り(法人の維持費のようなもの)というものがあり、赤字でも必ず支払わなければならない税金です。自治体と資本金・従業員数によってこの均等割りは変わるのですが、例えば東京23区にある法人で資本金が1000万円以下、従業員が50人以下だと、7万円になります。
この7万円は赤字でも毎年支払うことになります。
様々な届け出の手間や費用がかかる
法人化するのに定款作成にも勿論諸費用がかかりますし、その定款の変更(住所や内容)をするたびに手数料が数万円発生します。また、印鑑の作成も必須で、こちらも費用がかかります。フリーランスではかからなかった手間や費用はこういったところから発生しています。
それ以外では、社会保険の手続きや法人税の申告など、自分でできればよいのですが、素人ですとかなり時間がかかるものになります。こういった場合に社会保険労務士さんや税理士さんへ頼むと費用がかかるでしょう。その費用も考えておかなければなりません。
まとめ
法人化するタイミングが少しでもご理解いただけたでしょうか?
全体で見てみると意外とかかる経費が見えてくると思います。ご自身の仕事の状況を見極めつつ、検討してみてくださいね!